回復期リハビリテーション病棟入院料の施設基準の一つであるリハビリテーション実績指数は、病棟のリハビリテーションの実績を評価する重要な指標です。しかし、日々の運用のなかで「気付いたら基準値ぎりぎりだった」「療法士によってFIM評価にばらつきがある」といった悩みを抱える病棟は少なくありません。
本記事では、実績指数が伸び悩む主な原因と、改善に向けたポイントについて解説します。
リハビリテーション実績指数は、前月までの6か月間に回復期リハビリテーション病棟を退棟した患者について、入棟時と退棟時のFIM運動項目の改善度や在棟日数などを用いて算出する指標です。回復期リハビリテーション病棟入院料の区分に応じて実績指数の基準値が定められており、入院料の施設基準を満たすための要件のひとつとなっています。
FIMは、評価者によって採点に差が生じる可能性があります。入棟時と退棟時で評価者が違う、判定基準の解釈が人によって異なるといった状態が続くと、FIMの評価結果に差が生じ、実績指数にも影響する可能性があります。特に入棟時の評価が甘めに付けられ、退棟時との差が小さくなってしまうケースは、指数の低下に直結しやすいため注意が必要です。
実績指数の計算では、特定条件に該当する患者を除外することが認められています。しかし、除外条件の確認や対象患者の管理が適切に行われていないと、対象患者を計算から外し忘れ、本来より低い数値が算出される可能性があります。実績指数の算出方法や除外対象は診療報酬改定によって見直されることがあるため、最新の要件に沿って判定できる仕組みを整えておくことが大切です。
実績指数の算出では在棟日数が分母となるため、退院支援のタイミングが遅れるなどして在棟日数が不必要に長くなると、指数が低下する要因となります。ケースカンファレンスや多職種連携が十分に機能していないと、在棟日数の適正化は難しくなります。入棟時から退院を見据えたゴール設定を行い、進捗を定期的に共有できる体制づくりが求められます。
実績指数を安定して基準値以上に保つには、FIM評価の標準化、除外対象の適切な管理、在棟日数の可視化が欠かせません。院内でFIM評価の勉強会を継続的に行い、判定基準を統一することが基本になります。新人療法士だけでなくベテランも含めて定期的に評価をすり合わせることで、部署全体の評価精度を保ちやすくなります。
また、実績指数の集計・可視化に対応したリハビリ管理システムを活用すれば、実績指数の推移や患者ごとのFIM利得を効率的に確認できます。指標の変化を早期に把握できるため、基準値割れの兆候をつかんで対策を打ちやすくなります。対応しているシステムであれば、療法士別や疾患別の集計もあわせて行うことで、改善すべきポイントを具体的に絞り込みやすくなります。
実績指数の改善は、一度取り組めば終わりというものではなく、継続的にモニタリングしていく必要があります。定期的に数値をチェックし、基準値を下回る可能性がある場合には早めに要因を分析して手を打つ習慣を持つことが大切です。
担当者一人に管理を任せきりにすると、異動や退職のタイミングで運用が途切れてしまうこともあります。管理者と療法士のリーダー層が一緒に指数の推移を確認できる体制をつくり、病棟全体で改善に取り組む文化を醸成していきましょう。
回復期リハビリテーション病棟の実績指数を改善するには、FIM評価の標準化、除外対象の管理、在棟日数の適正化に日頃から取り組むことが重要です。手作業では管理しきれない領域も多いため、実績指数の可視化に対応したリハビリ管理システムの活用も選択肢のひとつになります。自院の課題に合った製品を比較・検討しながら、質の高い病棟運営を目指しましょう。
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