本記事では、リハビリ病棟で実施されている集団リハビリの概要、事例などを紹介しています。
リハビリテーションは、アプローチ方法により大きく2つに分類されます。
それぞれ異なる特徴があるため、優劣を一概に比較することはできません。両者のおもなメリットは次のとおりです。
| リハビリの種類 | メリット |
|---|---|
| 集団リハビリ | ・参加者同士の支え合いが生まれる ・参加者それぞれの知識、経験が刺激になり相乗効果を生み出すことがある ・社会的なつながりを生み出す(社会復帰の第一歩になりうる) |
| 個別リハビリ | ・患者一人ひとりの課題、目標、状態にあわせた専門的なリハビリを計画できる ・一人の患者に対して多職種で包括的なリハビリを行える |
参加者同士の関わりをリハビリに活かせる点が、集団リハビリの強みです。また、取り組み方次第では、以下のような利点も見込まれます。
集団リハビリの例として、ラジオ体操、口腔体操、テーマを設けたクイズ、ゲームなどがあげられます。
回復期リハビリテーション病棟で、集団リハビリを実施した事例です。20人程度の患者を対象に、連想ゲーム、果物狩り(トング、おたまで果物の模型をかごから取り出すゲーム)、早口言葉を実施しました。各ゲームを通じて確認された事項は次のとおりです。
医療法人謙和会荻野病院は、次回の集団リハビリを計画しています。
参照元:医療法人謙和会荻野病院(https://www.oginohospital.jp/kaifuku-blog/2024/10/31/149/)
限られた期間内に患者のADLを高めるため、集団リハビリとして立ち上がり訓練を実施しました。立ち上がり能力はADL向上に寄与する重要な要素であり、集団リハビリであれば病棟スタッフと協力しつつ、限られた期間内に一定量のリハビリ(追加的なリハビリ)を行えるためです。具体的には、病棟食堂で「25回×4セット」の立ち上がり訓練を実施しています。参加カードを設けて、実施回数を記録し、目標を達成すると賞状と粗品を進呈してモチベーションを高めている点がポイントです。おぐらリハビリテーション病院は、集団リハビリがADLの向上につながり、チームアプローチを促進したと評価しています。
参照元:【PDF】小倉リハビリテーション病院「病棟リハとしての集団立ち上がり訓練の取り組み」(http://www.ogureha.jp/tatiagari%20kunren%20pdf.pdf)
集団リハビリは、専門職が複数の患者などに実施するリハビリです。個別性の高いリハビリを提供することは難しいものの、参加者同士の相互支援が生まれるといった効果も見込まれます。集団リハビリを実施したい場合は、リハビリ管理システムの活用を検討するとよいでしょう。患者の情報を一括で管理できるうえ、専門職間の情報交換もスムーズに行えるため、集団リハビリの計画立案の効率向上が期待されます。以下のページではリハビリ管理システムの選び方をまとめてありますので、ぜひご覧ください。
※Googleで「リハビリ管理システム」と検索をして上位表示された電子カルテ・介護用システムを除く21社を調査し、無料デモンストレーション・導入事例・外部システムとの連携・サポート部門が公式HPに記載されている3社を紹介しています。(2021年12月1日時点)