リハビリ中には、さまざまなリスクが潜んでいます。ここでは、リハビリ中に起こりうるリスクや安全管理のポイントなどを紹介します。
リハビリによって患者の身体に過度な負担がかかると、心肺機能が停止して心停止や呼吸停止が生じる可能性があります。特に、心疾患を持つ患者や高齢者の場合は、リハビリの強度に細心の注意が必要です。
歩行訓練や姿勢を変更している最中に、バランスを崩して転倒や転落する恐れがあります。転倒や転落によって骨折や頭部外傷を負う可能性も考えられます。
また、嚥下訓練中の場合、誤嚥が発生すると窒息や肺炎のリスクも高まります。
多くの患者が集まる空間でリハビリを実施する場合、感染症の拡大リスクがあります。インフルエンザや風邪、コロナウイルスなどが広がり、集団感染する恐れがあります。
また、身体に傷がある場合、リハビリ中に傷口が開き、体内に細菌が侵入することも考えられます。
リハビリで合併症や窒息、転倒などのリスクが高い患者に対しては、事前にスクリーニングを行うことが重要です。そして、ハイリスクな患者ごとに適した予防策を実施しましょう。過度な運動負荷は避ける、体調が思わしくないときはリハビリテーションを中止する、見守りを強化するなどの対策を行いましょう。
スタッフ全員が患者の情報、体調の状態、リハビリの成果や注意点を把握することで、適切な対応が可能になります。情報共有を行うことで、リハビリ中に起こりうる事故やリスクが防げるでしょう。情報共有をしやすくするために、リハビリ管理システムの活用がおすすめです。
リハビリ中にどのようなリスクがあるのかを、スタッフだけでなく患者も把握している状態が望ましいです。インフォームドコンセントで、患者が自らのリハビリ計画を理解し、納得して治療できる状態をつくっておきましょう。そして、リハビリに伴うリスクも把握し、患者自身も意識して気を付けることで、よりリスクが減らせます。
リスクを減らしても、問題が発生する可能性を完全に排除することはできません。もしも発生してしまった場合、スタッフ全員が慌てず、スムーズに緊急対応ができるように手順ややり方を把握しておきましょう。
リハビリで発生し得るリスクは事前に確認し、安全管理を徹底することで患者が効果的にリハビリに取り組めます。
スタッフ間で情報共有を行うことに加え、患者の家族や患者本人もリスクを把握しておくことで、リハビリへの取り組みに意識が向き、リスクを軽減できる可能性があります。
当サイトでは、リハビリ病棟における代表的な課題とその対策について解説しています。リハビリ病棟の課題に取り組みたい方や、リハビリ管理システムの導入を検討している方は、以下の記事を参考にしてください。
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