2024年度の介護報酬改定では、科学的介護情報システム(LIFE)の運用に関していくつかの変更がなされました。制度設計上は事務負担の軽減が意図されていますが、リハビリテーションの現場では、依然としてデータ入力業務が重荷となっているケースが散見されます。
改定のポイントを整理しつつ、業務を圧迫せずにデータを活用するための運用方法について解説します。
LIFE関連の大きな変更点は、データ提出頻度が「少なくとも3ヵ月に1回」に統一されたことです。また、新規利用者のデータ提出期限に猶予が設けられ、既存利用者と評価タイミングを合わせることが可能になりました。
一方で、ADL維持等加算では利得要件が「2以上」から「3以上」へ厳格化されるなど、アウトカム(成果)への評価はより厳格化されています。これらの変更は、事務処理の効率化と質の向上を同時に求めるものです。
2024年度改定では、LIFEの入力項目の見直しやシステム更改により、提出負担軽減やフィードバック画面の操作性向上が図られました。それでも、「フィードバックの活用方法が分かりにくい」「入力が目的化しやすい」といった声が報告されています。(※)
LIFE関連の加算提出からフィードバックの確認までに時間がかかっている現状もあり、。入力と活用の両輪が前提であるにもかかわらず、時間と人員の制約から、リハビリ職には「入力だけが残る」感覚が生じやすい点が課題といえます。
現場の工夫としてまず有効なのは、日々のリハビリ記録様式にLIFEの評価項目を組み込み、二重入力を避ける記録設計にすることです。Barthel Indexや個別機能訓練に関する評価などを、通常の記録の中でLIFEに転記しやすい形で整理しておくと、集計作業の負担が減ります。
評価者として看護師やリハ職の役割を明確にし、情報提供者と入力担当者を分けるなど、多職種での役割分担を決めることも、業務集中の緩和に役立ちます。
また、手入力を廃止し、リハビリ実施計画書等の作成データがそのままLIFEへ送信される介護記録ソフトを導入することも重要です。重複入力を無くす環境整備が、専門職がリハビリ業務に集中するための前提条件となります。
LIFEは、提出されたデータをもとにフィードバックを返し、PDCAサイクルを通じてケアの質向上を促す仕組みです。リハビリテーション関連サービスでは、ADLや栄養・口腔、個別機能訓練、リハビリマネジメント加算などの情報を、利用者の目標設定やプログラムの見直しと結びつけることが期待されています。
フィードバック帳票やブラウザ画面で、利用者のADL変化や自施設の傾向を定期的に確認し、カンファレンスで共有することで、訓練内容や頻度の調整に活かしやすくなります。また、フィードバックの読み取り方や活用事例を学ぶ研修を用意し、多職種での話し合いの場を設けることで、リハビリ職にとってLIFE入力の作業が「加算のため」から「利用者のため」の有益な業務へと変化します。
※Googleで「リハビリ管理システム」と検索をして上位表示された電子カルテ・介護用システムを除く21社を調査し、無料デモンストレーション・導入事例・外部システムとの連携・サポート部門が公式HPに記載されている3社を紹介しています。(2021年12月1日時点)