本記事では、リハビリ病棟における採算性と収益性について解説します。
リハビリ病棟の収益性は内容によって変わります。たとえば脳血管疾患を扱うリハビリテーション科では診療点数が高くなりますが、廃用症候群の方へのリハビリテーションを提供している場合、同じリハビリテーション科でも点数が低くなり収益性は落ちます。
2024年度には診療報酬の改訂がありました。リハビリ病棟では減収が予想されており、医療機関の経営構造を踏まえると、採算が取れていない施設が多いと考えられます。
参照元:
Gem Med(https://gemmed.ghc-j.com/?p=59795)
【PDF】兵庫県立大学「回復期リハビリテーション病棟における医療の質と採算性に関する分析」(https://www.u-hyogo.ac.jp/mba/pdf/SBR/1-1/159.pdf)(16ー19ページ)
【PDF】兵庫県立大学「リハビリテーション部門における医療提供体制を考える」 (https://www.u-hyogo.ac.jp/mba/pdf/SBR/5-2/033.pdf)(45-51ページ)
【PDF】一橋大学期間レポジトリ「回復期リハビリテーション医療の原価計算」 (https://hermes-ir.lib.hit-u.ac.jp/hermes/ir/re/71531/hub020202000503.pdf)(48-77ページ)
リハビリ病棟の採算性と収益性を高めるには、まず売上と原価の正確な計算が欠かせません。そして現状を分析したうえで目標を決めてください。目標収益を達成するには、理学療法士1人あたりに求められる稼働率を明確に設定することが重要です。
稼働率を高めることで、リハビリ病棟の採算性・収益性はともに向上します。病棟においては業務の約20%が、リハビリ以外の作業に費やされることもあります。その時間を削減し、リハビリ業務に充てることにより、リハビリ病棟の生産性は高まるでしょう。リハビリ病棟の病床稼働率については以下の記事で詳しく解説していますので、あわせて参考にしてください。
参照元:【PDF】「身体障害領域のリハビリテーション職種における業務内容の実態調査および適正単位予測式の作成」 (https://www.jstage.jst.go.jp/article/jotr/43/4/43_521/_pdf/-char/ja)(2ページ)
少人数制でリハビリを行っている病棟であれば、リハビリ技師を増員して収益性を高める方法もあります。1人が担当する患者数を減らして2単位リハビリテーションを増やすことにより、リハビリ技師の移動時間や事務作業の時間を短縮できれば収益性アップが期待できます。
残業時間を削減したり、リハビリ管理システムを活用したりして業務効率を高めることにも努めてください。システムの導入は理学療法士の業務負担を軽減したり、リハビリに関わるスタッフとの情報共有をスムーズにしたりすることで業務効率性を高めます。リハビリ実施記録の管理や各種帳票の作成が容易になれば、その分、リハビリ業務に充てられる時間も増えるでしょう。
診療報酬改訂によってリハビリ病棟の採算性・収益性が低くなった医療機関もあると考えられます。いずれの改善を図るにしても、業務効率や病床稼働率の向上は欠かせません。
当サイトでは、リハビリ管理システム選びを成功させるポイントについて解説しています。リハビリ病棟の採算性や収益性の向上を目指して導入を検討するなら、ぜひ以下の記事も参考にしたうえで本当に役立つシステムを導入してください。
※Googleで「リハビリ管理システム」と検索をして上位表示された電子カルテ・介護用システムを除く21社を調査し、無料デモンストレーション・導入事例・外部システムとの連携・サポート部門が公式HPに記載されている3社を紹介しています。(2021年12月1日時点)