ここでは、ゲームやVRを活用したリハビリの概要やメリットを解説し、導入事例も紹介します。
さまざまな分野で、リハビリにゲームやVRゲームが導入されています。VRゲームは、仮想現実技術を用いたゲームです。ヘッドマウントディスプレイ(=ゴーグル)とコントローラーを使用して参加します。これらを使用することで、参加者の姿勢をリアルタイムで計測できます。したがって、仮想現実の世界で、現実世界と同じように行動できます。たとえば、実際には訪れていない場所を散策したり、仮想空間で冒険したりできます。
ゲーム・VRゲームを用いたリハビリに期待できる主なメリットは以下の通りです。
一般的に、ゲーム・VRゲームを用いたリハビリは、患者のモチベーションを保ちやすいと考えられています。従来のリハビリに比べて、エンターテインメント性が高いためです。遊び感覚で行えることは、ゲームやVRゲームを活用したリハビリの特長です。
一定の効果があることも特長です。たとえば、VR技術を用いることで、四肢切断後に現れる幻肢痛を軽減できることが示されています。失った四肢を仮想現実空間で動かせるためです。
参照元:WILEY Online Library
(https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/ejp.910)
リハビリ業務の負担を軽減できます。リハビリに必要な道具の準備が不要なためです。同様の理由で、コストの削減も目指せます。
また、患者の能力やリハビリの進捗に応じて、プログラムを柔軟に調整できます。リハビリの効率を高める可能性があります。
ライフケアデザインが運営するソナーレ目白御留山は、画面の前に座るだけでスタートするゲーム「キノコビト」をトライアル導入しています。キノコビトは、落ちてくるキャラクターを画面上の手(実際の手と連動)で受け止めてキノコの上にのせるゲームです。参加者の体幹が強くなり、自分で顔を洗えるようになるなどの変化が見られています。
参照元:ソニーファイナンシャルグループ
(https://www.sonyfg.co.jp/ja/group/stories/230515_01.html)
神立病院は、VR技術を使用したリハビリテーション用医療機器「mediVRカグラ」を茨城県内に導入しました。ゴーグルを装着し、仮想空間内で腕を伸ばすことで、身体機能や認知機能を鍛えることができます。認知症、パーキンソン病、廃用症候群、整形外科疾患などが対象疾患としてあげられています。
参照元:医療法人社団 青洲会 神立病院
(https://seisyuukai.org/hospital/vr/)
RehaVRは、ヘッドマウントディスプレイ、iPad、足こぎペダルを組み合わせたリハビリツールです。仮想現実世界を散策しながら、下肢筋力、全身持久力の強化を目指せます。VRコンテンツは、観光地、自然風景、犬との散歩などさまざまです。医療機関や介護保険施設などへの導入が進んでいます。
参照元:RehaVR
(https://rehavr.com/)
ゲーム、VRゲームを活用したリハビリが普及しつつあります。患者のモチベーションを維持しやすく、リハビリ業務の効率化やコスト削減にもつながるためです。リハビリ病棟のスタッフにとって関心の高い取り組みといえるでしょう。
当サイトでは、リハビリ管理システムの選び方などを解説しています。導入を検討している方は、以下の記事も参考にしてください。
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