このページでは理学療法士が陥りやすい人間関係の悩みと、それらの解決方法についてをまとめています。
理学療法士の悩みとして多く挙げられるのが、医療施設における立場です。「理学療法士」の知名度は医療従事者の中でも低い傾向にあります。医師、看護師は多くの方が御存知ですが、理学療法士の存在を知らない人もいます。知名度の低さから、理学療法士の存在を軽んじられていると不満を感じている理学療法士は多いようです。
リハビリテーションはとても重要なものです。しかし、重要性を理解しておらず存在を軽んじられたり、医師や看護師から一段下に見られているかのような立ち振る舞いをされることもあるようです。医療施設だけではなく福祉施設でも同様です。理学療法士への理解が低い現場では存在を軽んじられてしまい、リハビリの最中ではあっても介護士の仕事が優先されてしまうことも。このように、理学療法士の存在を理解してもらえない点に不満やストレスを覚える傾向が強いです。
多くの職業において同僚・上司・先輩といった同じ職場の人間関係は悩みのタネですが、理学療法士の場合、性格の合う・合わないよりもリハビリの方向性や技術面で衝突することで人間関係に悪影響を及ぼす点が特徴です。経験を積んだ先輩の独自仕様の手法を指示されたり、あるいは先輩の言う通りの手法を実践していたら上司に怒られたり等、理学療法士ならではな人間関係に悩まされるケースもあります。
もちろん他の職場同様、合う合わないや同僚の中で自分だけ疎んじられていると感じたり、医師や患者からの評判が高くなることで、妬み・ひがみを向けられ居心地の悪さを覚えるケースもあります。専門性の強い職業だからこその悩み、さらには他の職場同様の人間関係。理学療法士の人間関係の悩みは2つの角度からのものが多いです。
理学療法士は患者と向き合う時間の長いお仕事です。そのため、医師や看護師以上に患者との信頼関係構築が重要なテーマとなることから、医師や看護師よりも人間関係が深くなりやすいです。例えばリハビリを前向きに行ってもらうために、患者の趣味や価値観を伺うことも珍しくありません。結果、表面上の付き合いでは見えなかった面を見て「合わない」と感じることも。また患者だけではなく患者の家族との人間関係もあります。
さらには成果です。人間的な合う・合わないだけではなく、リハビリの進行具合も人間関係に影響を及ぼします。当初の予定通りに進まなければ患者はイライラします。患者の家族も不信感を抱きます。結果、その後のリハビリが思う様に進められなくなることもあるのです。
作業療法士等、多職種との人間関係に悩まされるケースもあります。特に多い点として、同じ患者を担当する者同士での意見の相違です。リハビリの方向性・ペース等で意見が衝突するケースは多いです。患者からの信頼の違いから、ひがみ・妬みを向けられることもあれば、勤務歴の長短、それまでのキャリア等で下に見られたり軽んじられたりといったケースもあります。また、リハビリ職を理解していない人からは、作業療法士等、他の職種と混同されることを悩んでいる理学療法士もいます。
理学療法士の人間関係の悩みのタネは多々あることが分かっていただけたのではないでしょうか。これらの人間関係に悩んでいる理学療法士は対策を考える必要があります。
大前提にあるのは、同僚・上司・先輩全てに対して歩み寄る努力が大切です。自分自身の考えがあるのは誰もが同じです。自分の考えを頭ごなしに否定してくる相手に対しては反感や敵意を抱くものです。つまり、もしも同僚・上司・先輩との人間関係に悩まされている場合、知らず知らず自分自身が周囲に対して否定的な態度を取っている可能性もあります。少しでも分からない点は質問して理解しておくことが大切ですが、直接対面してのコミュニケーションをおすすめします。
チャットツール、メールといった手法は好きな時間にコミュニケーションを取れる利便性の高いものではありますが、文章だけで相手に伝えたり、相手の意思を確認しなければならないので誤解を招くこともあります。誤解だと気付く時間も必要なら、誤解を解く時間も必要です。
しかし直接対面してのコミュニケーションであれば、その場で両者の納得を得られます。それまで人間関係が上手くいっていないと思っていても、腹を割って直接対面して話し合ったらすんなり解決したという事例は、決して珍しくありません。
理学療法士は、仕事の特性上どうしても患者に対して一歩踏み込んでしまいがちです。結果、反発を招いてしまうこともあります。そこで心掛けるべきは適度な距離感を保つことです。遠すぎては信頼関係構築が難しいですが、あまりにも近すぎるとよほど人間性の合う関係でなければ、相手から疎まれてしまいがちです。
特に患者はリハビリと向き合う中で、イライラすることも多いです。そうした状況でフレンドリーな応答を行うと、かえって反発されてしまうこともあります。患者の家族も同様です。距離感を近付けると「理解者」だと思われてしまうことで、高まった期待感の反発を招くこともあります。このことから、遠すぎず近すぎずの適切な距離を保つことが大切です。
お互いの立場の尊重が大切です。分からないことに対して、分かったような立ち振る舞いは厳禁です。逆の立場で同じことをされたら、やはり嫌な気持ちになるのではないでしょうか。報告すべきことは報告し、相談することは相談する。分からないことは質問するといった基本的なコミュニケーションこそ、職場の人間関係の基本です。この点を踏まえ、相手の領域に無暗に立ち入ったり、よくわからない分野に対して安易にアドバイスをするといった、相手の仕事を軽んじることを控えましょう。相手の仕事を尊重することで相手からの信頼を獲得できます。
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