どんなに気を付けていても起こる算定漏れや請求ミス。これらを未然に防ぐにはどうすれば良いのでしょうか。まずは算定漏れや請求ミスが起こる原因から考えていきましょう。
一般診療や健診、予防接種など、規模の大きな病院ほどさまざまな患者のニーズに対応しています。算定漏れや請求ミスが起こりやすいのは、医療行為の実施と記録までのタイムラグがある場合です。
また、同姓同名の患者さんを対応した場合などに、情報が錯綜して請求ミスが起こる可能性もあります。
たとえ診療内容がしっかりと記載されていても、レセプトチェックまでも漏れてしまうケースも少なくありません。
レセプトに記載した診療内容が合っていたとしても、事務方の経験則によってレセプトから消されてしまう場合もあります。
このように、診療をする側である医師と診療された内容を見る事務方の認識がずれることによって、算定漏れや請求ミスが起こりやすくなります。
電子カルテなど、院内のシステムが効率化されても、使う側が意識していなければ算定漏れは起きる可能性があります。算定漏れや請求ミスを少しでも防ぐために、以下のようなアプローチを行いましょう。
医師と事務方ではレセプトに対する考え方の順序が異なります。診療報酬に関するミーティングを定期的に実施して、スタッフ全員の認識をすり合わせましょう。
診療からレセプトになるまで、時系列でひとつの事例を追う「トレース」という方法を行うと、診療内容と算定内容の双方で理解を深めやすくなります。
算定は、事務方の経験や技量によって異なります。情報のアップデートを知っている事務方と知らない事務方とでは、算定が異なり漏れやミスにつながってしまう可能性があるのです。
定期的に勉強会を開く、外部の勉強会やセミナーなどに参加してもらうなど、スタッフの技量を底上げする取り組みで、算定漏れやミスの減少につながります。
レセプト点検に力を入れると、大部分の不備やミスを防止にできるようになります。以下を重点的に行って、算定漏れや請求ミスを最小限に減らしましょう。
レセプト全体を何となくチェックするのではなく、レセプト点検に関する詳細なリストを作成して、査定や返戻の対象となりやすい部分を細かくチェックします。
以下のように、チェック項目をリスト化して行うと効果的です。
診療内容に関わるレセプト業務は、本来医師の仕事です。医療事務が代行するとは言え、検査病名などは担当した医師にしか分かりません。不明点を放置せず、必ず医師に確認する体制を整えましょう。この確認を怠ると、過剰請求と判断されて査定対象となってしまうケースもあります。
昨今の保険財政の悪化によって、レセプト審査は厳しくなってきています。ただ、審査員によって査定基準には若干ちがいがあり、査定対象になってしまうかどうかは、審査員によって変わる場合もあります。毎月の審査傾向を押さえておくと、徐々に点検すべきレセプトが分かるようになってきます。
算定漏れや過剰請求などの請求ミスを減らすためには、電子カルテや医事会計システムなどの外部システムとレセプトを連携できるシステムがおすすめです。
業務効率化のためにリハビリ管理システムを導入するなら、レセプトチェックまでを行えるシステムを検討し、同時にミスをなくす対策をしてみてはいかがでしょうか。
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