回復期リハビリ病棟での治療を終え、退院を控える患者にとって、退院前訪問指導は今後の生活において極めて重要です。ここでは指導の実施状況や重要性について解説するので、ぜひ参考にしてください。
回復期リハビリ病棟からの退院は患者にとって大きな一歩ですが、その後の生活でリハビリが不十分になりがちである点が課題となっています。
2018年度の診療報酬改定では、この問題に対応するため、病棟配置のリハビリ専門職が退院前に適切な訪問指導を行うことが認められました。しかし、自宅退院予定の患者に対する退院前訪問指導の実施割合は43.6%にとどまり、実際には行われていないケースが多いのが実情です。
適切なリハビリ環境の準備が不十分であることが再入院の原因となり得ることから、この実施割合の低さは重要な課題と捉えられています。 この課題の対策としては様々な提案がなされており、居住環境のチェックを積極的に行うこと、加算・減算によるインセンティブの設定、多職種チームによる訪問指導の時間的・物理的制約への対応策としてのデジタルツールの活用、遠方に居住する患者への対応として他院との連携などが挙げられています。
これらの対策は、患者の自宅での生活の質を向上させることを目的としており、退院後の再入院を防ぐ効果が期待されます。
退院前訪問指導の患者側の重要性は、自己管理能力の向上や自信の獲得にあります。退院後、自宅で自立して生活するには、日常生活動作(ADL)の自立、薬の管理、リハビリ継続が必要です。訪問指導では、これらに必要なスキルを身につけるための指導が行われ、患者は自宅での生活に自信を持つことができます。
さらに自宅環境でのリスクを事前に把握し、事故や再入院を防ぐための対策を立てることができ、患者自身や家族の安心感につながります。そのため、退院前訪問指導は患者が社会復帰を成功させるための必要不可欠なステップといえるでしょう。
医療機関にとって、退院前訪問指導は患者の満足度向上や再入院予防に直接影響します。患者が自宅での生活に不安を感じることなく、スムーズに社会復帰できるようサポートすることで、患者からの評価が向上し、その結果医療機関の信頼性や評判の向上に繋がります。
また、患者が自宅で安全に生活できるようになることで、再入院のリスクが低減します。これは医療機関の経済面にも好影響を及ぼし、リソースの効率的な利用に寄与します。訪問指導を通じて、患者と医療機関の関係が強化され、パートナーシップが築かれることも重要性の一つです。
したがって、退院前訪問指導は医療機関にとっても多くのメリットをもたらし、質の高い医療サービスの提供に寄与する重要な取り組みといえるでしょう。
退院前訪問指導は、患者と医療機関双方にメリットの大きなものです。またリハビリ病棟では、退院前訪問指導の他にもさまざまな課題が考えられます。そこでリハビリ管理システムの活用がおすすめです。
当サイトでは、リハビリ管理システムの選び方やおすすめのシステムを詳しく紹介しています。以下のページもぜひ参考にしてください。
※Googleで「リハビリ管理システム」と検索をして上位表示された電子カルテ・介護用システムを除く21社を調査し、無料デモンストレーション・導入事例・外部システムとの連携・サポート部門が公式HPに記載されている3社を紹介しています。(2021年12月1日時点)