リハビリテーションの過程で特に重要視される「維持期」。この段階では治療の進捗に合わせて患者の自立を支援し、再発や機能低下を防ぐことが目標です。しかし維持期リハビリテーションには、様々な課題が潜んでいます。
ここでは、維持期のリハビリにおける課題と解決策について解説します。
維持期リハビリテーションの最大の課題の一つは、サービス提供の不足です。具体的には、維持期のリハビリを提供する施設や専門家が十分に存在しないことが現状です。また保険適用の範囲が限定的であるため、利用が困難な場合もあります。
患者が維持期リハビリテーションにおいて直面する別の課題は、モチベーションの維持です。患者自身が積極的にリハビリに取り組むことが回復や健康状態の維持には不可欠ですが、長期間にわたる努力が求められるため、途中で挫折することもあります。
介護サービスと維持期リハビリテーションとの連携不足も大きな課題です。維持期においては、単に機能訓練を行うだけでなく、日常生活の支援や社会参加を促進することも重要です。しかし、現状では、リハビリサービス提供者と介護サービス提供者間で情報共有が不十分なため、患者のニーズに合わせた継続的な支援が行えていません。
個別リハビリテーションの充実は、患者一人ひとりの状況やニーズに合わせたプログラム提供で、より効果的な回復を目指す解決策です。患者の現在の能力や目標設定に基づき、専門家が個別のプランを立てます。こうしたアプローチにより、患者自身がリハビリテーションにより積極的に関わり、自らの回復を促進させることができます。
この方法により維持期リハビリテーションの質の向上を図り、患者さんのさらなる回復をサポートします。
在宅復帰を目指す患者にとって、在宅環境での生活支援は非常に重要です。ここで重要なのは、在宅復帰支援機能の強化であり、患者が安心して日常生活を送れるようにするためのさまざまなサポートを提供することです。これには、訪問リハビリテーションサービスの提供や日々の生活で役立つ福祉用具の提供などが含まれます。これらのサービスを通じて、患者が自宅で自立した生活を送れるようにすることが目標です。
在宅復帰後も定期的なフォローアップを行い、患者さんの状態に合わせてリハビリテーションプランを調整することも重要です。これにより、在宅での生活の質の向上を図ります。
入院中から介護支援専門員(ケアマネージャー)と連携することにより、患者が退院後もスムーズに日常生活を送れるようにサポートすることが可能になります。この連携により、維持期リハビリテーションの計画を早期から始め、患者や家族が抱える不安を解消し、退院後の生活設計を立てることができます。
さらに介護支援専門員が入院中から患者の状況を理解し、必要なサービスの手配やアドバイスで、在宅復帰後の生活がより円滑に進むよう促すことができます。
維持期リハビリテーション病棟の設立は、長期にわたるリハビリテーションを必要とする患者さんに対し、専門的かつ集中的なケアを提供できます。このような病棟では、リハビリテーション専門の医師や看護師、理学療法士など多職種がチームを組み、患者一人ひとりに合わせた綿密なケアプランを実施します。
維持期のリハビリにおける課題としては、維持期リハビリサービスの不足や患者のモチベーション維持などが挙げられます。解決策としては、個別リハビリテーションの充実や在宅復帰支援機能の強化、維持期リハビリテーション病棟の設立などが有効です。
リハビリ病棟では維持期以外にもさまざまな課題があります。当サイトでは課題を解決するためのリハビリ管理システムの選び方やおすすめのシステムを紹介しているため、ぜひ参考にしてみてください。
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