ここでは、廃用症候群の概要と廃用症候群のリハビリテーションにおける主な課題を解説しています。
厚生労働省は、廃用症候群を次のように定義しています。
「あらゆる機能の低下」とあるとおり、さまざまな症状があらわれます。
廃用症候群の主な症状は以下のとおりです。
種類 | 概要 |
---|---|
関節拘縮 | 関節が固くなって動きが制限される状態 |
筋委縮・筋力低下 | 筋委縮は筋肉がやせること。これに伴い、基本的には筋力も低下する |
褥瘡 | 寝たきりなどで体重がかかり圧迫された箇所の組織が損傷すること |
消化機能低下 | 食欲不振、便秘などが引き起こされる |
うつ状態 | 気分の落ち込みなどが続いた状態 |
姿勢・運動調節機能低下 | 姿勢、運動をこれまで通り行いにくくなる |
体の一部だけでなく、全身や精神などにも症状が現れます。
廃用症候群の原因は「生活が不活発」なことです。厚生労働省は、この状態を活動が低下した状態と説明しています。生活の活発さは、質と量で構成されます。
質は活動の方法、量は活動の量といえるでしょう。活動の方法として歩く、走る、車いすなど、活動の量として1日に30分、1週間に2回、月に1回などがあげられます。
風邪などの身近な病気、捻挫などの身近な怪我で「生活が不活発」になるケースが少なくありません。つまり、過度な安静は廃用症候群の原因になりえます。療養の際にどう活動すればよいかなどを、専門家に指導してもらうことが大切です。
廃用症候群のリハビリテーションは、早期に実施することを求められます。安静にしていると、生活機能が徐々に低下してしまうためです。
転院後・入院後、リハビリテーションを速やかに実施する必要があります。早期に介入できる体制を整えておくことが大切です。
退院時のゴールを設定しておくことも欠かせません。ゴールが明確になっていないと、医師、看護師、セラピスト、医療相談員などが効果的に連携できないためです。
多職種参加のカンファレンスを開催して、ゴールの設定と患者情報の共有を図っておく必要があります。情報の共有には、リハビリ管理システムが役立ちます。
廃用症候群では、全身のさまざまな機能が低下します。個別の心身機能に対するアプローチだけでは対処できないケースが少なくありません。全体像をとらえて対処することも大切です。
廃用症候群は、活動性が低下して全身にさまざまな症状が現れた状態です。風邪や捻挫など、身近な病気・怪我が原因になりえます。
廃用症候群のリハビリテーションは、目標を設定して早期に取り組むことが大切です。リハビリの現場で遭遇しやすい課題が気になる方は、以下の記事も参考にしてください。
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