ここでは、急性期リハビリ病棟で遭遇しやすい課題とその解決策を解説しています。
急性期リハビリ病棟におけるリハビリは、リハビリ室に療法士が常駐する集約型と病棟に療法士が常駐する病棟配属型に分かれます。患者が病棟から移動する負担がない後者に比べ、前者では以下の課題が発生する恐れがあります。
情報共有が難しくなるのは、リハビリが病棟とは異なる独立した環境で行われることが原因です。リハビリ場面は限られた条件下での動作である一方、病棟では実生活に近い状況での活動が見られるため、それぞれのADLが乖離することがあるのです。これにより、医療スタッフ間での情報の一貫性が失われ、共有や連携に支障をきたすケースがあります。
病棟配属型にも課題はあります。顕在化しやすい課題のひとつが、新人スタッフの教育です。患者と1対1になるケースが多いため、複数の療法士がリハビリ室で一緒に働く集約型より業務を通じた指導を行いにくい傾向があります。
リハビリテーション医療は、急性期・回復期・生活期に分かれます。急性期リハビリでは、患者の生活期を見据えた対応が求められます。障害とともに生活しなければならないこともあるためです。したがって、在宅生活を支える専門家との連携が欠かせません。フィードバックを受けることで、急性期リハビリの質を高められる可能性があります。
働き方改革の影響や在院日数の短縮により、リハビリの回数が減ったり、開始が遅れたりする場合があります。また、日々の業務が忙しいため、回復期や生活期のリハビリを担当する医療機関と、十分な連携をとれないことも考えられます。
リハビリ管理システムを導入すると、専門職間で情報を共有しやすくなります。患者情報を一元管理できるためです。また、業務の効率化も図れるため、働き方改革や在院日数の短縮にも対応しやすくなる可能性があります。
病棟配属型のリハビリは、新人の療法士が業務を通した指導を受けにくい傾向があります。この点を踏まえて、教育プログラムを構成することが大切です。看護師に対する教育も、考慮したいポイントといえるでしょう。リハビリに関する教育をシステム化していないケースが少なくありません。教育においても多職種連携を意識すると、充実した指導を行いやすくなります。
リハビリ回数の減少やリハビリ開始の遅れには、勤務体制の見直しで対処できる可能性があります。たとえば、療法士が土曜日に出勤すると、早期からリハビリを開始できるケースが増えるでしょう。
回復期や生活期を担当する医療機関との連携を見直すことでも、リハビリの質を高められます。具体的な取り組みとして、リハビリ情報提供書のフォーマットを統一する、合同で勉強会を開催するなどが挙げられます。
急性期リハビリ病棟では、専門職間の情報共有の困難さやリハビリ開始の遅れなどの課題が生じています。現状を分析して、必要な対策を講じることが大切です。リハビリ管理システムを導入すると、さまざまな課題に対処しやすくなります。患者情報を一元管理できるうえ、業務の効率化も図れるためです。基本の対策として、導入を検討してみてはいかがでしょうか。製品の選び方は、以下の記事で詳しく解説しています。
        
        
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