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リハビリ病棟における身体拘束の最小化

ここでは、身体拘束の最小化に関する概要や具体的な取り組みを開始する前に理解しておくべきポイントを解説します。

リハビリ病棟における身体拘束の最小化とは?

身体拘束とは

身体拘束は、抑制帯などを用いて患者の身体を拘束して、行動を制限することと説明できます。具体的な方法として、以下の行為が挙げられます。

  • 患者の四肢を紐でベッドに縛りつける
  • 点滴のチューブを抜かないようにミトン型手袋を装着させる
  • 自分の意思で開閉できない部屋に隔離する
  • 向精神薬を過剰に服用させて落ち着かせる

身体的拘束の主な目的は、患者の徘徊や転落、転倒、点滴の自己抜去などを防止することです。

身体的拘束がもたらす弊害

身体的拘束は、患者の自由を制限し、尊厳ある生活を妨げる行為です。また、以下のような弊害を引き起こす可能性があります。

  • 身体的弊害:筋力の低下、関節の拘縮、食欲の低下、抵抗力の低下、認知症の進行、せん妄
  • 精神的弊害:患者と家族に精神的な苦痛を与える、リハビリ病棟スタッフのモチベーション低下を招く
  • 社会的弊害:リハビリ病棟の評判が悪くなる

身体拘束の最小化とは

身体拘束の最小化とは、患者の体を可能な限り拘束しない方針を指します。緊急やむを得ない場合で、以下の3要件を満たす場合にのみ実施を検討します。

  • 切迫性:患者本人、または本人以外の患者の生命、身体が危険にさらされる恐れがあり、緊急性が著しく高い
  • 非代替性:身体拘束以外に治療、看護の方法がない
  • 一次性:必要最低限の期間に限り身体拘束を実施する

基本的には、身体拘束による弊害よりも、身体拘束を行わない場合のリスクが大きい場合に検討されます。

リハビリ病棟における身体拘束最小化のポイント

身体拘束最小化に関する基準を満たさない場合は減算の対象

2024年の診療報酬改定で、身体拘束を最小化するための取り組みが強化されました。具体的には以下の内容が含まれています。

入院料の施設基準に、患者又は他の患者等の生命又は身体を保護するため緊急やむを得ない場合を除き、身体的拘束を行ってはならないことを規定するとともに、医療機関において組織的に身体的拘束を最小化する体制を整備することを規定する。

参照元:【PDF】厚生労働省「令和6年度診療報酬改定の概要」(4ページ)
(https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001238907.pdf)

身体拘束最小化の基準を満たさない場合は、入院基本料、特定入院料、短期滞在手術等基本料から40点/日が減算されます。身体拘束最小化の基準における基本的なポイントは以下のとおりです。

  • 身体拘束を行う場合は、態様、時間、患者の心身の状況、緊急やむを得ない理由を記録しなければならない
  • 専任の医師、専任の看護職員から構成される身体的拘束最小化チームを設置しなければならない(多職種参加が望ましい)
  • 身体的拘束最小化チームは、身体拘束の状況把握、周知徹底、最小化に向けた指針作成、定期的な指針の見直しなどを行う

ルールに基づいて体制を整備することが求められます。

患者、家族への説明が欠かせない

身体拘束の必要性を検討しなければならない患者は、事故のリスクが高い状態です。身体拘束を行う場合でも行わない場合でも、転倒や転落などのリスクは伴います。いずれの場合も、患者およびその家族に対してこれらのリスクを説明し、同意を得ることが重要です。

情報共有を徹底する

身体拘束を最小化するために欠かせないのが多職種間の情報共有です。それぞれの専門家が患者について十分な情報を得ることで、身体拘束以外の治療や看護の方法を見つけやすくなります。多職種間の情報共有を支援するリハビリ管理システムの導入を検討することも一案です。

身体拘束最小化以外にも
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身体拘束の最小化とは、体を拘束する行為を可能な限り控えることです。診療報酬改定で「身体的拘束を最小化する取り組みの強化」が規定されたため、リハビリ病棟での対応も求められています。ルールに基づいて体制を整え、リハビリ管理システムを活用して情報共有を進めることが重要です。

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