「スタッフは毎日忙しそうに走り回っているのに、なぜかリハビリ部門の売り上げが伸びない」「頑張っているのは分かるが、誰をどう評価・指導すればいいのか基準がない」。
多くの病院・クリニックの経営者やリハビリ科長が抱える悩みを解決するには、経験や勘に頼った管理を脱却し、客観的な数値(KPI)で現状を可視化することが必要です。
本記事では、診療報酬改定を踏まえ、3つの重要指標と現場に負担をかけない管理手法について解説します。
かつてのリハビリ経営は「患者数を増やし、単位数を稼ぐ」ことが最優先とされていました。しかし、近年の診療報酬改定、令和6年度(2024年度)の改定では、リハビリテーションの質(アウトカム)がより厳しく問われるようになっています。
例えば、回復期リハビリテーション病棟においては、実績指数が高い施設ほど高い入院料を算定できる仕組みが強化されています。単にリハビリを提供するだけでなく、「どれだけ患者の状態が良くなったか」を数値で証明できなければ、収益を維持できない時代に突入しているのです。
また、現場視点でも数値管理は重要です。「もっと頑張ろう」という精神論ではなく、「稼働率をあと5%上げよう」「キャンセル率を減らそう」という共通言語(数値)を持つことで、スタッフは具体的な行動目標を立てやすくなり、結果として残業削減やモチベーション向上につながります。
スタッフの生産性を測る基本的な指標です。一般的に、セラピスト(PT/OT/ST)1人あたり1日18単位(1単位20分×18=6時間)が、収益性と業務負担のバランスが取れた目安の一つとされています。
予定されていたリハビリが実施されなかった割合です。稼働率が低い場合、そもそも予約枠が埋まっていないのか、予約はあったが直前でキャンセルされたのかで対策が異なります。
FIM(機能的自立度評価法)の点数が、入院時と退院時でどれだけ向上したかを示す指標です。前述の通り、診療報酬上の評価に直結するため、経営上の重要度が増しています。
全国平均などのベンチマークと比較し、自院のリハビリが「成果を出せているか」を客観視することが大切です。回復期リハビリテーション病棟協会などの実態調査データが参考になります。
「KPIの重要性はわかったが、集計する時間がない」そう感じる現場の多くは、Excelを使っていること自体よりも、データが分散して管理されていることに根本的な課題があります。
スタッフ各自が自分の担当患者のデータを自分専用のExcelファイルや手持ちのメモ帳で管理しているケースです。これでは全体像が見えません。集計に手間がかかるうえ、人によって入力ルールが異なり、正確な比較ができません。
また、フィードバックが遅れ月末にならないと実績が出ず、対策を打つのが翌月になることもあります。
改善の第一歩は、チーム全員が同じ場所(ファイル)にデータを入力し、いつでも見られる状態にすることです。
まずは院内の共有サーバーに共有データを置き、全員がそこに入力するルールにするだけでも十分な効果があります。情報が見える化されることで、スタッフ自身が「自分の稼働率は今どうなっているか」を意識し始め、自然と行動が変わります。
専用システムを導入することで、以下のようなメリットが得られ、管理業務が効率化します。
システム導入にはコストがかかりますが、集計にかかる人件費の削減や、データに基づいた経営改善による増収効果を考えれば、十分に投資回収が見込める施策と言えるでしょう。
リハビリ経営改善の第一歩は、まず「数字の見える化」から始まります。バラバラに散らばったデータを一箇所に集めることから始めてみてください。
スモールスタートから始めるか、システム導入で一気に効率化を図るか、自院の課題フェーズに合わせて適した手段を選びましょう。
※Googleで「リハビリ管理システム」と検索をして上位表示された電子カルテ・介護用システムを除く21社を調査し、無料デモンストレーション・導入事例・外部システムとの連携・サポート部門が公式HPに記載されている3社を紹介しています。(2021年12月1日時点)