リハビリ現場で重要性が高まる動画記録。しかし、日々の多忙な業務の中でその管理に頭を悩ませるリハビリ職は少なくありません。本記事では、動画記録の目的や現場の課題、業務を圧迫する背景を解説します。
従来のテキストによるカルテ記録では、「歩行時のふらつきあり」「右足の振り出しがスムーズではない」といった定性的な表現にとどまりがちでした。
動画記録を用いることで、関節の可動域や歩行スピード、荷重のバランスといった細かなニュアンスをありのままに可視化できます。過去のデータと現在の動画を並べて比較することで、数値や文字だけでは捉えきれない微細な回復の兆候を把握できるようになります。
リハビリテーションは、理学療法士(PT)や作業療法士(OT)だけでなく、医師、看護師、医療ソーシャルワーカーなどによる多職種連携が不可欠です。カンファレンスや転院調整の際、言葉やテキストだけでは伝わりにくい患者の実際のADLレベルも、動画があれば一目瞭然です。
全員が同じ「生の動き」を共有することで、より的確な治療方針の決定や、スムーズな退院・転院計画の策定が可能になります。一度入力された情報や共有された動画が即座に共有される仕組みがあれば、部署間での二重入力や情報伝達にかかる手間の削減ができ、地域包括ケアの構築や他機関とのスムーズな連携にも大きく貢献します。
リハビリの成果は毎日少しずつ現れるため、患者自身が「本当に良くなっているのだろうか」と不安やモチベーションの低下を感じることがあります。そこで効果的なのが動画の活用です。専門知識がない患者に対しても「1ヶ月前はここまでしか上がらなかった足が、今はここまで上がっています」と実際の映像を数値やグラフなどと共に見せることで、リハビリの効果を視覚的に実感してもらえます。
また、患者のご家族に対しても、リハビリの進捗や自宅での安全な介助方法、自主トレーニングの手順を動画で分かりやすく伝えることが可能です。成果の可視化は、患者のやる気を引き出し、ご家族の安心感にも直結します。
動画記録の有用性を理解していても、現場での運用の難しさに直面するケースは後を絶ちません。その代表例がセキュリティの問題です。専用の設備がない場合、スタッフ個人のスマートフォンで患者の動画を撮影し、一時的に端末内へ保存してしまう事例が見られます。
厚生労働省の「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」に照らし合わせても、個人情報保護や情報漏洩のリスクの観点から極めて危険な状態と言えます。万が一、端末の紛失や盗難、誤送信などが発生した場合、医療機関や事業所の社会的信用を大きく失うことにつながりかねません。
スマートフォンやデジカメで撮影した動画データは、ファイルサイズが非常に大きく、院内のサーバーやパソコンのハードディスク容量をあっという間に圧迫してしまいます。
また、紙カルテや整理されていないデータ環境では、撮影した動画を「どの患者の、いつのリハビリか」が分かるように名前を付け替え、適切なフォルダに手動で仕分ける作業が発生し、これが想像以上に手間となります。
データが整理されていないと、「1ヶ月前のあの動画を見たい」と思ったときに、膨大なファイルの中から目的の動画を探し出すだけで多くの時間を浪費してしまい、業務を停滞させる原因になります。
リハビリ現場のスタッフは、常にタイトなスケジュールで動いています。新規のリハビリオーダーが重なることも多く、業務時間内は患者の診療業務に追われがちです。そのような状況下で、動画を撮影し、PCに取り込み、患者データと紐付けて保存するという一連の管理作業を毎日継続することは、スタッフにとって大きな業務負担となります。
日常の書類業務だけでも手一杯であるため、動画を撮影すること自体の手間に加え、その後の煩雑なデータ管理の二重の負担によって、せっかく始めた動画記録の取り組みが定着せず、いつの間にか形骸化してしまう現場も少なくありません。
リハビリの現場において、動画記録は患者の変化を可視化し、多職種連携を円滑にするために極めて有効な手段です。「日常業務の多忙さ」と「動画管理の難しさ」をスマートにクリアする手段として、リハビリ管理システムの導入があります。
スケジュール管理・実施記録・書類作成などを一元管理できるシステムを活用することにより、転記ミスや確認の手間が減少し、職場全体の負担軽減につながります。
医療ガイドラインに準拠した安全な環境で動画を自動管理し、現場の事務負担を抑えつつメリットを最大化することで、リハビリ職が本来の専門業務に集中できる環境を整えてみてはいかがでしょうか。
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