このページでは、リハビリ病棟に必要な薬剤師について解説します。薬剤師が必要な理由や、具体的な役割についてまとめているので、参考にしてみてください。
リハビリ病棟になぜ薬剤師が必要なのかというと、医薬品の安全管理や服薬指導を適切に行うためです。回復期のリハビリ病棟に入院する患者の多くは高齢者です。たくさんの薬を服用していることがあるため、飲み合わせによる副作用や有害事象を防ぐためには、薬剤師の積極的な関与が欠かせません。
また、リハビリを行う患者様はすでに疾患を発症しており、食欲不振による低栄養状態に陥っていることが少なくありません。栄養障害があると、効果的にリハビリを行えなくなってしまうため、薬剤師が適切な栄養剤を選択することも求められます。
では、リハビリ病棟では、薬剤師にどんな役割が求められるのか紹介します。
まず1つ目が、薬の調整です。急性期病棟では、薬が変更・追加になることが多いですが、回復期のリハビリ病棟では、薬がリハビリを妨げてしまうことがあります。なぜなら、回復期のリハビリ病棟に入院している患者様は、病気への治療がほとんど終了していて、状態が安定してれば、減量や中止できる薬があるからです。
薬剤師は、薬を調剤するだけでなく、薬の変更や追加を医師に提案できます。安全に回復に向かえるように、症状の改善状況に応じて、薬の減量や中止を提案していくのも薬剤師の重要な役割です。
薬剤師は医師の処方箋に基づいて薬を用意します。始めに、処方箋の内容を確認し、薬の用法用量や飲み合わせなどのチェックを行います。リハビリ病棟には高齢の患者様が多いため、薬の飲み忘れや飲み間違いを防ぐための工夫が必要です。
病棟の中には、薬の一包化調剤を行ったり、1回服用分をセットしてから払出するところもあります。また、電子カルテの導入など可能な限り機械化することで、調剤環境の業務効率化や安全性の向上につながるとされています。
薬剤師が入院から退院まで一貫してサポートを行うことも重要です。入院時には、新入院カンファレンスに参加し、薬の服用状況やアレルギーの確認などを実施。入院中は、薬の効果や副作用などのチェックを行うなど、継続的なサポートがリハビリの効果を高めることにつながります。
また、薬剤師はチーム医療の一員ということを忘れてはいけません。医師や看護師など他職種と連携し、1人1人あった薬物治療の提供を行っていきます。
薬剤師は、患者様がリハビリに集中できるように、薬についての疑問や副作用などの心配があれば、作用や必要性などをわかりやすく説明することが大切です。
また、時には、医師と患者様のパイプ役を担うこともあります。患者様の中には、医師に直接伝えづらいという方もいるからです。例えば、環境が変わっていて眠れない、痛くてリハビリが進まないという相談に対しては、今の薬の内容を考慮しながら医師に提案することもあります。日常の会話の中から治療の心配や不安を聞き出し、改善に導きましょう。
リハビリ病棟に必要な薬剤師について解説してきました。回復期のリハビリ病棟に入院する患者様の多くは、高齢でたくさんの薬を服用していることがあるため、飲み間違いを防ぐためには薬剤師の積極的な関与が欠かせません。
薬剤師が入院患者の薬剤管理を行っていく際に役立つのが、リハビリ管理システムです。調剤環境の業務効率化や安全性の向上につながるとされ、情報共有も効率的に行えるようになります。
以下の記事では、リハビリ管理システムのメリットやデメリットについて解説しています。ぜひ参考にしてください。
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