このページでは、リハビリ病棟で求められる啓発活動について解説します。啓発活動が求められる理由や、実際に啓発活動の事例も紹介しているので、参考にしてみてください。
なぜリハビリ病棟に啓発活動が求められるかというと、介護の潜在的な患者を減少させるためです。
地域の中には、まだ病気になっていないが、このままの生活を続けていれば病気になりやすい方、まだ1人で生活できているが、このままだと介護が必要になる方が多くいます。リハビリ病棟の啓発活動によって、そういった方々の意識が変化し、介護やリハビリを受けなくても良い状態にすることが可能なのです。
リハビリを受ける患者様で多いのが、脳卒中とロコモティブシンドロームです。
脳卒中は、脳の血管の血流障害によって、急に手足が動かなくなったり、話せなくなったりする発作のことです。発症後に後遺症が残りこれまでの生活が送れなくなる方も多くいます。塩分控えめの食生活や適度な運動、脳ドックの受診など、日頃からの予防が大切です。
ロコモティブシンドローム(ロコモ)とは、移動するための能力が不足したり、衰えたりした状態のことです。ロコモが進行すると介護が必要になるリスクが高まるため、若いうちからの運動習慣や栄養バランスの取れた食事が大切になります。
もう少し早く予防をしていれば脳卒中にならなかった、ロコモが進行する前に対策を取っていれば介護が必要にならなかったという方はたくさんいます。きちんとした知識を持ったリハビリ病棟が地域の方々に対して啓発活動を行っていくことで、将来の患者を減少させることにつながるのです。
実際にリハビリ病棟でどのような啓発活動が行われているのか3つの事例を紹介します。
医療法人寿鶴会・菅野病院のリハビリテーション科では、「ロコモチャレンジ」という啓発活動に取り組んでいます。ロコモチャレンジは、ロコモアドバイスドクターである、日本大学医学部付属板橋病院の斉藤修先生監修の下、ロコモティブシンドロームの正しい知識と予防意識を啓発する活動です。
参照元:医療法人寿鶴会菅野病院公式HP(https://kanno-hospital.com/guide/rehabilitation/)
戸畑リハビリテーション病院では、啓発事業に理学療法士が参加するなど、地域の方々への啓発活動に積極的に取り組んでいます。具体的には、駅で行われた健康フェアの体力測定会に理学療法士が参加し、体力測定やロコモ度テストなどを行いました。測定結果やテストの結果をもとに参加者へフィードバックを行うことで、運動に対する意欲が高まったという声が聞かれました。
参照元:社会医療法人共愛会公式HP(https://www.kyoaikai.com/post-739/)
国立研究開発法人・国立循環器病研究センターの脳血管リハビリテーション科では、脳卒中の啓発動画をHP上に公開。「知っていることで救われる!?脳卒中って?」というタイトルの約11分のアニメーションで、異変を感じたら早めに医療機関を受診する大切さを紹介しています。また、小学生向けのわかりやすい動画も閲覧できます。
参照元:国立研究開発法人・国立循環器病研究センター公式HP(https://www.ncvc.go.jp/hospital/section/treatment/cerebro_rehabilitation/movie/)
リハビリ病棟における啓発活動について解説してきました。リハビリ病棟は、リハビリが必要な患者様の治療を行う場所ですが、ロコモや脳卒中の予防に関する啓発活動を行うことで、将来の患者を減少させることにつながります。
啓発活動の業務効率化でも活用できるのが、リハビリ管理システムです。作業時間の削減やデータの管理がスムーズに行えるようになります。
以下の記事では、リハビリ管理システムのメリットやデメリットについて紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
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