ここでは、回復期リハビリ病棟におけるサブアキュート機能について解説しています。
回復期リハビリ病棟のサブアキュート機能とは、在宅や施設から軽症急性期患者を受け入れて、必要な医療サービスやリハビリ、栄養管理などを提供しながら在宅復帰を支援する機能です。
サブアキュートは、厚生労働省が発表している資料で「重装備な急性期入院医療までは必要としないが、在宅や介護施設等において症状の急性増悪した状態」と定義されています(※1)。対象となる患者例として、急性期治療が必要になる前の状態や在宅での療養が難しくなった状態、低栄養で容体が悪化している状態などが挙げられます。
また、サブアキュートの具体的な定義や運用は、地域や施設によって異なる場合があります。
サブアキュートと混同しやすい用語が、ポストアキュートです。ポストアキュートは、厚生労働省が発表している資料で「急性期経過後に引き続き入院医療を要する状態」と定義されています(※2)。回復期リハビリテーション病棟のポストアキュート機能は、急性期後の患者を受け入れて、継続的な治療、リハビリなどを提供する機能です。
ちなみに、レスパイトケア(レスパイト入院)は、介護を行っている家族をサポートするため、介護を受けている方を短期入院させる機能です。家族の休養や病気、その他の都合などで、在宅での介護が一時的に難しくなった場合に利用できます。在宅復帰支援は、退院後の在宅生活に向けて、関係機関と連携を図りながら環境を調整することです。
サブアキュートは、一般的に在宅や施設で生活していて治療が必要になったものの、急性期治療や専門治療までは必要としない状態と理解されています。しかし以上の説明では、入院の対象になる具体的な患者がわかりません。
そこで対象となる患者像を具体的に示す対策が必要です。受入の基準やリハビリサービスの内容などを明確にしましょう。
かかりつけ医によってサブアキュート機能の対象患者だと診断されても、回復期リハビリ病棟への相談手順がわからないことがあります。やむを得ず別の選択肢を検討することもあるでしょう。
このようなケースに備えて、回復期リハビリ病棟への相談手順を明確にしておくことが必要です。例えば地域連携室に窓口を設定したり、緊急性が高い場合に担当医師に連絡したりする方法が考えられます。相談手順を決めるだけでなく、地域へ向けて情報を発信することも大切です。
回復期リハビリ病棟のサブアキュート機能には、急性期治療が必要になる前の状態や在宅での療養が難しくなった状態、低栄養で容体が悪化している状態などに対して、リハビリテーションから栄養管理、在宅復帰支援までの総合的な対応が求められます。
そこで早期の在宅復帰につなげるため、多職種間の情報共有が欠かせません。例えばリハビリ管理システムを導入すると、情報共有をスムーズに行いやすくなります。
回復期リハビリ病棟のサブアキュート機能は、サブアキュートに該当する患者に対して急性期治療やリハビリなどを提供して在宅復帰を支援します。総合的な対応を求められるため、リハビリ管理システムなどを用いた多職種間の情報共有が欠かせません。
リハビリ病棟におけるその他の課題を知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
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